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人材育成の観点から「経営」「教育」「メディア」について考えます。

2018年回顧

だいぶご無沙汰のブログになってしまいました。今年はひらすら仕事で書く仕事に恵まれ、なかなか更新できない日々が続きました。

平成の終わりが決まり、次の時代への移行を前にする2018年。私個人も大きな変化の年となりました。この1年の振り返りと今考えていることは残しておくべきだと思い、このブログにしたためたいと思います。

2018年は、自分の未熟さが露呈して反省ばかりでしたが、振り返ってみると結果だけはどうにか残した年でした。

順に見ていきたいと思います。

 

1.論文が学会誌に載った

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原著論文(http://www.ssi.or.jp/journal/pdf/Vol7No1_3.pdf

地味に私にとってはこの1年で最も大きな成果です。修士論文15万字を2万字にまでグッと絞り、粘りに粘りに抜いて、書いては消し、書いては消し…、かれこれ15回以上は書き直しました。論文にも根性は必要のようです。

 

日本においては、優れた記者の取材力や組織内での立ち振る舞いなどを実証的に研究したものは、ほとんどありません。調査報道は難易度が高いけれども、社会的貢献度がずば抜けて高く、根気と実力を要します。記者の誰しもが実践してみたい報道形態の一つです。

 

スター記者がどのように情報と向き合い、裏どりをし、いかに組織内で記事化を成立させているのか。これを少しずつ明らかにしていくのは、記者の育成の観点から見てもとても意義のあることです。

 

今回の論文は本当に初めの一歩ではありますが、学術界においてこのテーマで研究の意義を認めてもらえたというのは、私にとっては大きな一歩です。今年は博士課程に進学しましたので、さらなる飛躍を目指します。

来年からは、もう少し調査報道研究の成果をブログなどで発信していこうと思います!

 


2.人前でたくさん話した

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ベトナムの新聞社のジャーナリスト研修

今年の初め頃は、人前で話す経験はほぼ皆無の状態でした。今年は、場づくりや人前で話す経験値を高めようと思っていました。

 

3月には、記者職の内定者を集めて、理論と実践のワークショップを行いました(

ワークショップを実践!新人記者が活躍するために必要な「学び」とは!? - TSUJI-LAB.net

)。これまでの経験と研究を元に、明日から活用できる知見を整理してレクチャーしつつ、皆さんでこれからどう熟達していくのかということを考えてもらいました。横のつながりもできたようで、かなり好評でした。来年もやろうと思っています。

 

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武蔵野大学グローバル学部 日本研究(政治・社会)

4月からは、武蔵野大学グローバル学部にて非常勤講師として毎週2コマ担当させてもらいました。政治や社会をテーマにアカデミックライティングを指導していますが、可能な限りアクティブラーニングの要素を入れつつ、ニュースなどを題材にロジカル思考を鍛えてもらっています。通年で毎週2コマやっていましたので、60回くらいは授業したと思います。だんだん余裕が出てきて、いろんなことを試行錯誤できるようになってきました。


企業研修も行いました。ベトナムのジャーナリスト約20人に日本のジャーナリズムのデジタル化の動向をレクチャーしつつ、皆さんに明日からできることを考えてもらいました。かなり直球の質問が来るので、それをきちんと歴史的、制度的な背景を踏まえて説明するというのは、頭の整理にもなり、私自身も勉強になりました。喜んでもらえたようでよかったです。


組織開発の実践も行いました。小学校に介入し、職場の働き方の改善を促すためのサーベイフィードバック、ワークショップなどを行いながら、職場の先生方の思いを汲み取り、自主的な改善案を出してもらえるようにサポートしました。組織を変えていくのは簡単なことではありませんが、きちんと実情を踏まえて寄り添いながら改善を促していくプロセスはとても勉強になりました。

 


3.「スタディ通信」創刊

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公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」のオウンドメディア「スタディ通信」(スタディ通信 by Chance for Children | 「学ぶ」を深掘るウェブマガジン)の創刊に企画段階から携わりました。ウェブメディアというジャンルでは初経験のことが多く、かなり悩みながら進めてきました。11月に無事にローンチでき、記事も少しずつ配信しています。

コンセプトは学びを深掘るウェブマガジン。多様な学びを認める社会にしたい。学びから疎外されている人々、新しい学びを実践している人々、「学び」をテーマにさまざまな人や事に光を当てたいと思っています。

編集の前提にあるのは「映画のような記事」。今は情報が溢れ、毎日記事が流れていく時代、ウェブメディア乱立期であります。そんな中で、読み応えがあっていつ読んでも考えさせられる「ストック」型の記事の発信を目指しています。

いつも読者に助けらている。これは新聞であろうとウェブであろうと変わらないことだなと最近感じます。

 


4.「働き方改革」書籍の出版が決まり、もうすぐ刊行

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横浜市教育委員会東京大学中原淳研究室 共同研究(平成 29 年度) ~教員の「働き方」や「意識」に関する質問紙調査の結果から~の一部引用

研究室のプロジェクトで、横浜市教育委員会と共同で学校教師の働き方に関する調査を行っています。分析を担当していますが、なかなか興味深いデータが出ています。

研修や報告会などでフィードバックをしていますが、それだけではどうしても時間の制約があり、全てをお伝えできないため、また全国の先生にも参考にしてもらえるよう、書籍にすることとなりました。

毎日新聞出版からの刊行が決まり、今まさに佳境。編集者とやりとりしながら、今年度中には出版できるように原稿と向き合っています。

 

5. 東大から立教へ 組織人から独立

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立教大学のキャンパスとクリスマスツリー

全てのことに関わる自身のキャリアのことですが、東大から立教へ大学院の所属が変わりました。いろんなところに、いろんな自分がいる。いくつも帰る場所があるというのはとても楽しいことだなと思っています。今の学習環境はよく、論文も1年目で1本通せたというのはよかったと思っています。しかし、一方でさらに研究者として知的体力を身につけなければと危機感も抱いています。

大学院も博士課程に進学したタイミングで、独立をしました。本当に多くの人に助けられて、今までやってこられたと実感しています。「最近、どうやって食べているの?」とよく聞かれます。笑 一言で言えないんですよね。いろんな人にいろんな形で声をかけていただいて、お仕事をもらっているとしか言えないです。

フリーランスは、時間が自由で悠々自適だと感じている人もいるかもしれませんが、むしろかなり自己管理できる人でないと、仕事と休みの境目がとても曖昧になります。最初は本当に土日もずっと仕事をしていて、会社員の頃の方が随分楽でした。

今もうまくやっているとは言い難いですが、少しバランスをとれる感じなってきました。常に新しい人とお仕事をするため、様々な業界の文脈で言葉を使うように注意しないと、ディスコミュニケーションを招くこともあります。まだまだ勉強の日々ですが、一歩ずつ成長していければと思っています。


◆◆◆

怒涛の2018年回顧をかいつまんで書いてみました。思い返せば、いろいろやってきたなぁと思います。振り返るのは大事ですね。2019年の目標はもう考えていますが、また別の機会に書けたらと思います。

今年1年、大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願いいたします!


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